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心音聴診トレーニング「ステップワイズ・アプローチ」02

解説 髙階經和先生(公社)臨床心臓病学教育研究会理事長、髙階国際クリニック院長

1816年、フランス人ラエネック(Rene Laёnnec)が木製筒型聴診器を発明してから204年が経った1)。そして現在に至るまで、様々な資材や形状の聴診器が開発されてきたが、我々が現在目にするのは、様々な金属性あるいは硬化プラスチック製である。

近年、医療面へのハイテク技術導入により心エコー図、CTスキャンなどが勢力をふるい、聴診器は徐々に診断医療機器としての重要性とその意義が失われようとしている。今日、医学教育者たちは心臓や肺の聴診技術が衰退してしまったのではないかと大きな関心、不安をいだいている2,3)。20世紀の中頃まで、臨床現場において最も大切だと考えられてきたのは「ベッドサイド診察法」であった。そして今、聴診器の役割は何かと言うことが問われる時である。

1)Roguin A. Rene Theophile Laёnnec(1781-1826):the man behind the Stethoscope. Clin Med Res. 2006;(4)3:230-235.

2)Marcus FI. The lost art of auscultation. Arch Intern Med.1999; 15920) :2396.

3)Roy D, Sargeant J, Gray J, Hoyt B, Allen M, Fleming M. Helping family physicians improve their cardiac auscultation skills with an interactive CD-ROM. J Contin Educ Health Prof. 2002;22(3):152-159.

ステップワイズ・アプローチ

1974年当時に筆者が録音したカセットテープがここにある。当時神戸大学医学部で臨床診断学を教えていた時代に制作した心臓聴診の解説である。この解説をお聞きいただき心音・心雑音のトレーニングに役立てていただきたい。

【解説音声】ステップワイズアプローチ1 心音の分裂

単一音が分裂し、次第に分裂幅が広くなります。0.02,0.04,0.06,0.08秒の分裂の違いをお聴きください。

【解説音声】ステップワイズアプローチ2 2音(S2)分裂①

S2の分裂を説明します。呼吸性分裂と右脚ブロックなど異常分裂の違いをお聴きください。

【解説音声】ステップワイズアプローチ3 2音(S2)分裂②

S2分裂を説明します。さまざまな分裂幅を聴き比べてみましょう。

※ステップワイズアプローチは全31症例で構成されています。ここでは01~03を紹介させていただきました。

学術論文抜粋『聴診は必要か?』

(T. Anthony Don Michael, M.D.;Contemporary Internal Medicine:Vo.9,No.12, December 1997)訳 髙階經和先生

いまや臨床現場でのドクター達の診断技術の低下に対して迅速な対応が望まれる。聴診を教える最も効果的な方法が研修医と同様、指導医にも求められている。

30年前(注:2019年では、54年前)までは、聴診を教育する伝統的な方法はベッドサイドにおけるものであった。主治医(attending physician)が、医学生にベッドサイドで患者の心音を聴かせ、その心音を口真似(replicate)で再現させるようにした。長年に亘って心音を口真似で実際の心音や心雑音に近い音を出すことは、様々な有名な臨床医によって行われてきた。その中にはDr. Proctor Harvey やDr. Paul Woodたちがいた。

ベッドサイドでの心音聴診に替わる教育方法として、心音のタイミングに焦点が当てられてきた。英国のLeathamが「心音図」(phonocardiogram)を開発し、これによって心音と心雑音のタイミングが分かるようになった。この試みに平行して心音をテープに記録し、続いてCDディスクに記録することが可能となった。


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画面に表示された前胸部イラストをアイコン操作で聴診します。アイコンが移動した部位の聴診音が再生され、心音と肺音のON/OFFを切り替えることができます。また、心拍数を変更したり、脈の触診をしながら聴診することも可能です。

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