【事例紹介】尋常性ざ瘡(ニキビ)で皮膚科受診されている20代女性

 皮膚科では、ニキビ治療のベースとして外用薬の過酸化ベンゾイルと外用抗真菌剤、ビタミン剤内服薬が処方されていました。

 また毎月1回、ケミカルピーリングを実施しておられ、自宅スキンケアは皮膚科で販売されているスキンケア商品を利用されていました。

 これらの治療を続けておられましたがニキビが良くならないため相談にお越しになり、ミコペリス化粧品によるスキンケア(コルネオケア)を開始することになりました。コルネオケア開始にあたり「外用薬とケミカルピーリング」は中止していただきました。

 コルネオケアを開始し、徐々に皮膚の炎症が軽快しました。

国際コルネオセラピー協会会員、薬剤師 藤木清志のコメント

 過酸化ベンゾイルは尋常性ざ瘡(ニキビ)治療に使われるお薬で、皮膚の常在菌であるブドウ球菌やニキビの原因として知られるアクネ菌などに対し抗菌作用を示します。また、角質の細胞間脂質(デスモソーム)に働き、角質剥離を促進することが知られています。

 この方は過酸化ベンゾイルを毎日使用し、さらに毎月ケミカルピーリングをやっていらっしゃいました。皮脂が多い場合や角質層の状態が良い(キメが整っている)状態の場合にはケミカルピーリングが奏功することもありますので一概に悪いとは言えませんが、角質の役割を考えた場合、皮膚の状態をよく観察して(専門家に相談して)ピーリングの実施を判断する必要があります。

この方の場合、毎日の外用薬と毎月の角質剥離はニキビ治療抵抗性にしていた可能性があります。

 ちょっと詳しくなりますが、角質は角質間脂質(デスモソーム)で結合し一体になって皮膚のバリア機能を発揮しています。一旦角質を傷つけてしまうと、バリア機能に重要なデスモソームは新しい皮膚ができるまで再生されません。つまり常に外部刺激を受けやすい状態になっていたわけです。

 さらに、この方が使っていたスキンケア化粧品にはアルコールが含まれています。アルコールは皮脂成分を溶かし肌の水分を蒸発させ乾燥させてしまいます。つまり、肌のバリア機能がより悪くなるということです。

 コルネオケアは角質を保護するスキンケアの手法です。角質を保護すると角質間脂質は正常に働き皮膚のバリア機能は高まります。その結果、表皮、真皮、皮下組織のターンオーバーが正常化し、健康で美しい肌に導きます。

 ピーリングも時には良いかも知れませんが、ニキビやアトピー、肌荒れがあるような場合はお勧めできません。そのような方には、角質保護(コルネオセラピー)が優先されるべきだと私たちは考えています。

 ニキビやアトピー、肌荒れでお困りの方がいらっしゃいましたら本サイト(corneotherapy.jp)お問合せからご相談ください。

◆資料:過酸化ベンゾイルの添付文書より抜粋


【事例紹介】皮膚科通院中の4歳児に対するコルネオセラピーの経過

この児は、全身に皮膚炎があり皮膚科にて治療されている方です。食事、お菓子だけでなく体調が悪い時にも皮膚炎が悪化していました。

下の写真は、コルネオセラピーを実施する前と5週間後の肌の状態です。コルネオセラピー前はよく耳たぶの下が切れたり、全身に皮膚炎がみられていました。コルネオケア用の洗顔フォームで全身を優しくあらい、入浴後はローションで保湿するセルフスキンケアを開始したところ、5週間で改善がみられました。お母さまの話によると、食べ物やストレスがあったときによく搔きむしることが以前はあったそうですが、それがほとんどなくなったそうです。ステロイド外用薬の使用頻度も劇的に減ったと言われていました。

コルネオセラピーを始める前は、手背にステロイド軟膏を頻繁に塗布していたそうですがそれでも皮膚炎は良くならなかったそうです。コルネオセラピーを開始したところ「スーッと良くなった」そうです。「全身の肌もボロボロになることが無くなった」と言われていました。

久しぶりに学生時代の友人が家に遊びきた際、その友達から「ゆうこちゃん(仮称)、なんか綺麗になった?」と言われたそうで、「久しぶりに見るゆうこに対して、毎日見ている私(母)より変化がはっきり見えたのだろうなと思います。なんだか嬉しくて嬉しくて。。。」

「体に合わない食べ物を摂ると痒みが出ることはあります。でも治るのが早くなりました。そして今は(以前と違って)肌を触るとツルツルしていて、肌質がかわったような気がします」、「この半年順調にいっていて、手の指にはステロイドを時々使いますが、体にはほとんど使わなくて済むようになりました」と、おっしゃっていました。

コルネオセラピスト 京田悦子のコメント

この方は遠隔地にお住まいであるため、ゆうこちゃんのスキンケアはお母さまがやっていらっしゃいました。時々お母さまからLINEで写真を送っていただき、スキンケアのアドバイスをさせていただいていましたが、お母さまとゆうこちゃんがしっかりコルネオケアをつづけてくださったことで肌質が以前より健康になったようです。

国際コルネオセラピー協会会員 薬剤師 藤木清志のコメント

痒みがあると搔いてしまいますが、掻けばかくほど角質層は剥がれ落ち、痒み知覚神経の閾値が下がります。つまり、小さな刺激でもすぐにかゆくなってしまいます。コルネオセラピーは角質層を保護するスキンケアです。この児のように角質層を保護すると外部刺激に対して強くなるということが示された症例だと思われます。

アトピー性皮膚炎ガイドライン2021*でも、アトピー性皮膚炎に対するスキンケアが重要であることが示されています。刺激が少なく、角質層を保護するスキンケアが大切になります。

*アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2021(日本皮膚科学会雑誌131,2691-2777,2021)より抜粋

アトピー性皮膚炎では,皮膚バリア機能と保湿因子が低下している.角質層内の水分含有量は低下し,特徴的なドライスキンとなる.そのため非特異的刺激による皮膚のかゆみを生じやすく,また,種々のアレルゲンの侵入が容易になり,皮膚炎を惹起しやすいと考えられている.保湿外用薬(保湿剤・保護剤)の使用は,アトピー性皮膚炎で低下している角質層の水分含有量を改善し,皮膚バリア機能を回復・維持することで,アレルゲンの侵入予防と皮膚炎の再燃予防,痒みの抑制につながる。


【事例紹介】二十歳男性のざ瘡(にきび)に対するスキンケア&食事指導

複数の皮膚科を受診しましたがなかなかにきびが良くならず、コルネオセラピーを試そうと遠方より来店された二十歳の男性のケースを紹介します。

皮膚科では、様々な種類の経口抗生剤やビタミン剤、抗アレルギー剤や外用薬が順次処方されていました。漢方薬も試したそうです。それでも改善がみられませんでした。

電話カウンセリングの際、食事や生活習慣を確認しました。

1.牛乳を毎日500ml飲む(飲料は全て牛乳で、高校時代は1日1000〜1500mlほど摂取)

2.運動後にプロテインを飲む

3.ニキビ対策として市販のニキビ用化粧品(洗顔、化粧水、クリームのセット商品)を使用

皮膚は脂漏性の皮膚状態が観察され頸部や耳下の浮腫みがあり、また、牛乳とプロテインの摂取量はあきらかに過剰でした。

牛乳やプロテインの過剰摂取はニキビに良くないため一時摂取を中止するとともに、コルネオセラピーを実施することにしました。

肌の状態を観察したところ、毛穴の洗浄不足、脂漏性でありしかし角質層は乾燥状態が観察されました。コルネオセラピーは、まずクレンジング。その後洗顔フォームで洗浄し、ローションとジェルで保湿という一般的なスキンケアです。背中にはビームジェルによるポイントケアと、カクテルケア(ジェルとローションを混ぜて保湿)。

写真はコルネオセラピー実施6週間後のものですが、その後も安定した肌の状態を維持しいます。

このようなケースは決して珍しいものではなく、正しいスキンケア、コルネオセラピーと生活習慣の補正で健康な肌へと導くことが可能です。


国際コルネオセラピー協会会員、薬剤師 藤木清志のコメント

この方の加療経過について、3つの点から考えてみたいと思います。

1.生活習慣について

牛乳とプロテインの多量摂取を中止したことは、ニキビ治療に良い結果をもたらしたと考えてよいでしょう。

牛乳にもプロテインにも、たんぱく質が含まれていますが、それがある種のホルモン分泌を促進します。そのホルモンによってニキビができやすい状態になっていたと考えられます。

2.薬物治療について

この青年は皮膚科で治療されていました。

その処方が確認できていて、標準的なニキビ治療が行われていました。必要な場合抗生剤も使われますが、この方は推奨される抗生剤(テトラサイクリン系、マクロライド系、ペネム系)が全て使われました。それでもなお症状が軽快しなかったという事です。

3.スキンケアについて

ニキビ用として市販されている商品でスキンケアをやっていらっしゃいました。

その商品を調べてみると、ピーリングに使われる成分(サリチル酸)とスクラブが配合されています。

ニキビが活発(炎症強い)時に、これらの成分は炎症助長の方向に作用してしまいます。

たんぱく質の過剰摂取:ニキビができやすく、炎症がすすむ

角質を剥離するスキンケア:炎症を悪化させる

皮膚科で処方された抗生剤:常に炎症が助長されている状態では効果が得られなかった

角質層は、皮膚のバリア機能を担っています。コルネオセラピー(角質層保護スキンケア)はその機能を高めると同時に、角質下層の皮膚細胞を正常ターンオーバーに戻し肌を健康にするスキンケアです。

情報提供 コルネオセラピスト 京田悦子


【事例紹介】28歳女性 アトピー性皮膚炎で皮膚科加療の方のスキンケア

長期間、全身にステロイド外用薬とヘパリン類似物質クリームまたはローションを使用していらっしゃいましたが、アトピー症状はなかなか改善しませんでした。

角質層スキンケア前の肌の状態:顔全体から首、肩にかけて発赤、腫脹がみられます

角質層保護スキンケア(コルネオセラピー)実施2週後:額、両頬、顎にみられた炎症が軽快しました

スキンケア開始時、皮膚に炎症があるためクレンジングは実施せず、洗顔とローション、ジェルでスタート。3種ケアを1週間実施した後にクレンジングを追加(クレンジング→洗顔→ローション→ジェル)。コルネオセラピーにより徐々に肌は落ち着き、その後もよい状態を維持しています。

コルネオセラピスト京田悦子のコメント

クレンジングは、スキンケアに重要なステップです。しかし、クレンジング化粧品の量が不足したり手技が違ってしまうと、摩擦が大きくなってしまいます。それが炎症を助長する可能性があるため、炎症がある場合はクレンジングは行わず、洗顔フォームで洗い流して保湿するというやり方が良いでしょう。

国際コルネオセラピー協会会員薬剤師 藤木清志のコメント

外用薬には基剤が含まれており、その基剤は空気中にある微小粒子(PM2.5 のような小さな粒子物質)を吸着します。外用薬を使っていない場合であっても、皮脂が吸着剤の役割を果たし、結果的に微小粒子を抱え込んでしまいます。そのような状態で外出すると、紫外線により活性化した微粒子が皮膚を刺激することになります。

スキンケアというと、保湿に意識が集中しがちですが、保湿の前に毛穴に溜まった基剤や皮脂、微小粒子をきれいに洗浄する(クレンジングする)ことが大切です。

また、この方はヘパリン類似系物質を利用されていますが、ヘパリン類似物質は血行促進作用があるので炎症が強いときの使用はお勧めできません。

角質層保護の観点からこのような方の場合は、油分の膜で覆う保湿ではなく、角質層に水分を補給するスキンケアが推奨されます。


【事例紹介】アトピー性皮膚炎に対する化粧品の影響

今回ご紹介する方は、皮膚科治療と別サロン購入化粧品でスキンケアをされていたお客様です。

皮膚科では内服薬と外用薬(顔用と全身用の2種類)で治療されていました。炎症が出たときは全身用のステロイド軟膏を顔にも使っているという事でしたが、詳しく聞くと頻繁かつ数年間にわたり顔にステロイドを使っていることが分かりました。

別サロンで購入した化粧品はかなり高価なものでしたが、その使用感は、洗顔後に肌がつっぱりパサパサして赤くなり、化粧品がしみるという具合。

その話を聞き「こんな化粧品もあるんですよ」とミコペリス化粧品を紹介しお試し購入となりました。その時とミコペリス化粧品使用後2週間のお口の周りの写真を掲載します。

7月6日:ミコぺリス使用前|当サロンにお越しになった時の写真

7月19日:ミコペリス使用後|2週間で口唇周囲の赤みが改善

症例提供:ターリア 山本なお美|山梨県甲府市

国際コルネオセラピー協会会員薬剤師 藤木清志のコメント

スキンケア化粧品の変更で症状が軽快した症例です。

皮膚科の処方で外用薬は2種類。全身にステロイド剤、顔に非ステロイド軟膏です。

この方は、顔にもステロイド外用薬を使用し、かつ長期使用だという事でした。

ステロイド外用薬には、長期使用すると皮膚が薄くなるという副作用があります。

また、化粧品は他のサロンでアトピーに良いとされるものをお使いでした。しかし洗顔後、肌はつっぱり、赤くなるという症状からすると、その化粧品には皮膚刺激成分(アルコール類や角質剥離、美白成分など)が含まれていたのではないかと推察されます。

薄くなった皮膚はバリア機能が低下し、弱い刺激でも炎症を起こしやすい状態になっています。従って

・処方薬は医師の指示通りに使う(顔には顔用の薬、全身に処方された薬は顔には使わない)

・化粧品は刺激成分が含まれていないかをしっかり吟味して選ぶ

に注意していただきたいと思います。


【事例紹介】複数の皮膚科を受診後にサロン来店

この方は、皮膚科でニキビ治療外用薬(過酸化ベンゾイル)が開始されていまましたが、改善しないため、別の皮膚科を受診しました。そこでは過酸化ベンゾイルは中止、代わりにアダパレンによる治療と皮膚科クリニック専用化粧品によるスキンケアが開始されました。しかし症状改善は認められませんでした。お困りになったこの方は、友人の勧めによりスキンケア専門のサロンをお訪ねになりました。

サロンでは、これまでの経過を伺いスコープで皮膚の状態を観察しました。その時の写真がこちらです。

サロン来店時の皮膚スコープ写真

患部の炎症と角栓が確認されました。また、皮膚科クリニックで購入されたスキンケア化粧品の成分を確認したところ角質溶解成分が添加されていました。お薬と化粧品の両方で角質を溶かす方向でケアがなされていたわけです。これをお客様に説明し、ご納得いただいた上で「角質層保護」を目的とした化粧品に変更、経過観察することになりました。

(左)来店時       (右)スキンケア(2年後)

化粧品を変更した後間もないころから徐々に肌は健康を取り戻し、その後上の右写真のように健やかな状態を維持しています。

コルネオセラピスト京田悦子のコメント

初回の方には特に「日常の肌のお手入れ方法や使用中の化粧品、通院されている場合はその治療内容」について詳しくお聞きします。それらの情報と専用スコープで観察した皮膚の状態から、適切なスキンケアを実施します。お客様の中には自己流であったり、必ずしも適切ではないスキンケアをしている方もいらっしゃいます。医薬品による治療をされている方の場合、基本的には医療機関の治療を継続する方向となりますが、必要な場合はコルネオケア専門薬剤師やコルネオセラピストに確認し、その後のスキンケアを検討することも大切になります。

国際コルネオセラピー協会会員薬剤師 藤木清志のコメント

この方の場合、最初の医療機関で過酸化ベンゾイルが処方され、その後アダパレンに変更されています。両薬剤ともニキビの治療によく使われる処方薬で、尋常性ざ瘡・酒さ治療ガイドライン2023でも推奨されている点では正しい治療かもしれません。しかしこの方の場合、この薬が炎症を助長した可能性も考えられます。

そもそも角質は外部の刺激から皮膚を守る「バリア機能」を担っており、そのバリアを繰り返し剥離することは、外部刺激に弱い皮膚をつくる原因になりえます。

過酸化ベンゾイルもアダパレンも角質剥離を目的に利用されたりします。レチノールという角質溶解成分が化粧品に使われることもあります。

この方の場合は、治療薬と化粧品のダブルで角質剥離を行っているということになり、しかも長期に使用していたことが肌の回復遅延につながった可能性を考えなければなりません。

他方、化粧品の配合バランスのために少量添加される場合もありますので、レチノールが入っている化粧品がすべて悪いということではありません。